社交ダンスの”ラテン”とは?特徴や種類、歴史についてプロが徹底解説!
昨今、TV番組の金スマや『漫画のボールルームへようこそ』などで、社交ダンスへの注目度が上がっていますね!
社交ダンスは「ラテンアメリカン(通称:ラテン)」と「スタンダード(別名はモダン、ボールルームなど)」に大別されます。
今回は、現役プロラテンA級社交ダンサーである私、立花悠が詳しく解説いたします!
スタンダードも交えて社交ダンスの10種目を解説している記事もございますので、ご一読ください。
ラテンとスタンダード(モダン)との違い
ホールドが自由!
スタンダードは基本的に、踊っている最中は終始男女が両手を「ホールド」します。
これに対して、ラテンは両手を繋いだり、片手のみ繋いだり、手を繋がず踊ったりと、組み方はとても自由です。
衣装が自由!
また、大会などで着られる衣装にも違いが見られます。
スタンダードは男性が燕尾服、女性が丈の長いお姫様のようなドレスを着ます。
一方でラテンは、男女ともに特にルールはなく、自由になっています。
つま先が見えるシューズを履く!
更に、女性が履くダンスシューズも基本的にはスタンダードは女性のつま先が見えないデザインとなっていますが、ラテンシューズはつま先が見えるタイプのものが主流になっています。
※初心者用に、どちらの種目でも使える練習用の兼用シューズも販売されています!
ラテンとスタンダード(モダン)の共通する部分
フロア内の通行ルールが共通
ラテンとスタンダードの違いについて記述しましたが、同じ部分もあります。
踊る際、広いフロアを多数のカップルで踊る時に、ぶつからないための通行ルールのようなものがあります。
それを専門用語では「LOD(Line of Dance)」と呼ばれますが、ラテンもスタンダードも同じLODで踊っていきます。
わからない方のために簡単に説明すると、スタンダードや、ラテンの種目のうちの「サンバ」「パソドブレ」の2種類は流れるプールのように縦横無尽にフロア上を移動していくのですが、その際は反時計回りにフロアを回らなければならないのです。
似たステップも多い
また、組み方自体は違うことが多いですが、似たようなステップ(足型)は実は多いです。
特にスタンダードの種目の「タンゴ」と、ラテン種目の「パソドブレ」はステップがよく似ています。
ラテンダンスは、キューバやブラジルなどのラテンアメリカで生まれたダンスが起源になっています。
ただし、ラテンの種目の1つである「パソドブレ」はスペインの闘牛を元にしていたり、「ジャイブ」はアメリカのロックンロールの文化から派生しているので、全ての種目がラテンアメリカで生まれたわけではありません。
ダンスの大会で競われる種目は5種目!
社交ダンスの大会では、基本的に以下の5種目を踊ることになります。
1 チャチャチャ
2 サンバ
3 ルンバ
4 パソドブレ
5 ジャイブ
それぞれの特性について簡単にご紹介致します!
チャチャチャ
4拍子の軽快なリズムに乗って踊る種目です!
大会では最初の種目として使われることが多く、とても盛り上がる種目です。
チャチャチャの歴史は比較的新しく、奴隷解放後の陽気で明るく楽しいイメージを表現するダンスで、コケティッシュな要素もあります。
代表曲は
・「Sway」
・「Watermelon Man」
などです。
サンバ
サンバのルーツはブラジル。
ですが、イギリスで社交ダンス向けにアレンジされて踊られているものが最近のサンバです!
上下運動を伴うバウンスアクションなど、特徴的な動きを用いる躍動感のある種目です。
奴隷の踊りを表現するとも言われており、基本的な動作として、奴隷が足に重りをつけられそれを引きずりながら歩くような部分が多く見られます。
代表曲は
・「Moliendo Cafe」
・「Brazil」
・「Tico Tico」
などです!
ルンバ
キューバの民族舞踊がもともとのルーツになっています。
ゆったりとした4拍子のリズムに合わせて踊るこの種目は、男女間の愛や苦悩を表現します。
ラテン部門で一番の人気とも言える種目です!
この種目では男性は黒子の役割をし、女性を華やかに目立たせることが大切とも言われています。
ルンバはラテンダンスを踊る上で一番大切な基本動作が多く含まれていることや、曲がスローテンポで踊りやすいことから初心者の方にもおすすめです。
代表曲は
・「Besame Mucho」
・「Manana De Carnaval」
・「Historia De Un Amore」
などです!
パソドブレ
スペインの闘牛をモチーフにしているダンスです。
男性は強く雄々しいマタドール、女性はまたドールの持つケープを表現しています。
最近では、男性と女性の愛の葛藤を描くような振り付けも多いです。
他のラテン種目は南米発祥の「ラテンアメリカンダンス」ですが、この種目のみスペイン発祥のため「ラテンユーロピアンダンス」と厳密には言います。
スペイン語でパソは「ステップ」、ドブレは「2拍子の」という意味で、2拍子の行進曲に合わせて踊ります。
代表曲は
・「Espana Cani」
です。
競技会での振り付けは、基本的にこの曲に合わせてどのカップルも構成しています。
初心者が社交ダンスを始めるならラテン?スタンダード?
社交ダンスをこれから習いたい!という方には「ラテンとスタンダード、どちらから始めたら良いの?」と疑問に思われる方もいらっしゃると思います。
実際にプロ社交ダンス講師として活動している私の結論としては、「どちらでも大丈夫!」です!笑
ご自身が実際にダンスを見て、好きだなあ!と直感で選んだ方を先にトライしてみても良いですし、音楽を聴いてワクワクする方にしてもよし、実際にどちらも体験レッスンを受けてみて楽しかった方を選ぶのもよしです!
基本的に人それぞれ。しかし・・
ただ、私の女性のお客様の多くが、「もう少し早くラテンを始めておけばよかった…」とおっしゃいます。
理由としてはスタンダードは両手を繋いでいるので常に安心感があり、その安心感に慣れてしまうとラテンで手を繋いだり離したりすることが不安になってしまうようです。
当の私はラテンから始めましたが、身体を柔らかく使う練習をラテンでたくさんできたので、スタンダードも始めた時に体が固まりにくくて良かったなあと実感しています^^
ですがその辺りは人それぞれなので、先述したように好きな方から始めてみるのが一番ですよ♪
楽しいことの方が長続きしますし、その先に新しい挑戦もポジティブにしやすくなります!
いかがでしたか?
今回は社交ダンスのラテンについて解説していきました!
次回はスタンダードについての解説も致しますのでお楽しみに☆
社交ダンスの魅力を広く知っていただけるよう、JDCプロラテンA級社交ダンサー、東海林・立花の2名でBallroom.jpを運営中!また、都内3拠点(日暮里・蔵前・表参道)の社交ダンス教室「トゥモローダンスクラブ」を運営しております。誰でも気軽に楽しめるスタイルをご提案していきたいと思います!